病院情報の公表 ~令和5年度 個別病院指標~


令和5年4月1日から令和6年3月31日に一般病棟を退院した患者さんを集計の対象としています。
入院後24時間以内に死亡した患者さんまたは生後一週間以内に死亡した新生児、臓器移植を行った患者さんは集計対象外としています。
自費診療や労災・自賠責等の医科保険以外の保険を使用した患者さんも集計対象外としています。
集計期間内に同一人物が複数回入退院した場合、延べ患者数として数えています。
なお、患者数が10未満の数値は、個人情報保護に配慮して「-」としています。

 


 

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

 

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

 

 

病院指標1 年齢階級別退院患者数

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年齢区分

0~

10~

20~

30~

40~

50~

60~

70~

80~

90~

患者数

1470 242 179 252 376 667 797 1433 1716 626

 

 

令和5年度に退院した患者数を年齢階級別に表しています。年齢は入院した時点のものを使用しています。
当院は地域医療支援病院として、幅広い年代の患者さんに質の高い急性期医療を提供しています。
全体をみると60歳以上の患者さんが全体の約60%を占めており、地域社会の高齢化を反映しているといえます。
また、0歳から9歳の患者さんも多く、小児科診療に力を入れていることが当院の大きな特徴の一つです。

 

 

病院指標2 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040110xxxxx0xx

間質性肺炎 手術・処置等2なし

42 28.14 18.65 14.29% 78.52
040081xx99x0xx

誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし

30 30.87 20.60 33.33% 82.70
040040xx99200x

肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

29 2.90 2.98   70.62
0400801499x003

肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア3

26 21.27 17.45 19.23% 84.65
040150xx99x0xx

肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術なし 手術・処置等2なし

24 27.71 22.55 29.17% 79.79

呼吸器内科は、肺癌、肺炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、気胸など、多彩な呼吸器疾患の診断および治療を行っています。
入院患者さんのうちの約3割が肺癌の患者さんです。気管支鏡検査ではほとんどの患者さんに鎮静剤を使用し、苦痛のない検査をすすめています。最新の超音波気管支鏡機器を導入し、縦隔リンパ節の生検や末梢小型肺病変の生検など、より正確な診断を心がけています。治療においては、抗癌剤・分子標的治療薬による化学療法が主体ですが、症例により放射線療法と組み合わせた治療、手術と組み合わせた治療も行っています。癌免疫療法についても、ガイドラインに従って安全性に十分配慮しながら施行しており、よい効果が得られた症例を経験しています。
肺炎や慢性呼吸器疾患の二次感染に対しては、肺炎治療ガイドラインに基づき、適切に抗菌薬の選択を行って治療しています。重症呼吸不全を伴う場合には必要に応じてNPPVをはじめとする人工呼吸管理を行います。また早期からリハビリテーション部や摂食嚥下障害の専門看護師と連携し、離床や嚥下機能の改善をはかり、ADLの回復、維持を目指しています。また急性期を乗り切った患者さんについては、ご紹介元の医院や他の適切な医療機関・施設へ逆紹介させていただいております。
喘息、COPDについては、吸入薬を主とした新しい治療薬が次々と発売され、患者さんに合ったデバイスや剤形を選択し、きめ細かく指導を行い定期的にフォローしています。呼気一酸化窒素測定(FeN0)機器を導入し、喘息患者さんの診断補助および治療効果の指標として活用しています。
間質性肺炎については、膠原病や薬剤性など原因が様々で、慢性的にゆっくり進行し、一部は急性増悪という急激な病状の悪化により不幸な転帰を辿ることもあります。詳細な問診と肺機能検査や各種抗体検査などによりできるだけ正確に診断し、定期的な画像経過観察を行い、適切な時期に抗線維化薬、ステロイド薬、免疫抑制薬による治療を行ったり、呼吸不全の進行した患者さんには在宅酸素療法を行ったりしています。
気胸については、縮んだ肺を拡張させるため、早急に胸腔ドレナージという処置を行います。呼吸器外科と協力し、必要な場合はスムーズに外科手術を受けられるように配慮しています。

 

注)上段の表は治療内容による細分化されたDPCコードにて記載しておりますが、呼吸器疾患は適切な治療が細分化されているため少数に分散され、診療実績を把握することが難しくなっています。下段に疾患名だけでの分類となるDPC6桁分類での実績を記載しております。

DPC6桁分類

疾患名

患者数

040080

肺炎等

120

040040

肺の悪性腫瘍

81

040110

間質性肺炎

45

040081

誤嚥性肺炎

35

040150

肺・縦隔の感染、膿瘍形成

23

180030

その他の感染症(真菌を除く。)

23

 

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060100xx01xxxx

小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術

258 2.21 2.61 0.00% 67.06
180010x0xxx0xx

敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし

66 20.58 20.03 13.64% 82.97
060210xx99000x

ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

63 9.26 8.95 3.17% 66.14
060340xx03x00x

胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

46 10.80 8.75 2.17% 75.02
060350xx99x00x

急性膵炎、被包化壊死 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

32 10.13 10.22 9.38% 59.81

消化管領域と胆膵領域の疾患の診療を担当しています。胃潰瘍、感染性腸炎、肝炎、消化管出血など幅広く対応しており、小腸大腸の良性疾患や胆石症、胆管炎に対して内視鏡的に治療を行っています。入院では内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を行っている患者さんが最も多く、基本的に1泊2日で治療することができます。また、腸閉塞に対しては絶食・安静や注射薬などによる保存治療を行っています。敗血症や胆管炎には抗生剤による保存治療を行います。

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050130xx9900x0

心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外

80 18.39 17.38 20.00% 84.29
050050xx0200xx

狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし

66 4.08 4.26 1.52% 71.21
050050xx9920x0

狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外

53 3.15 3.25 0.00% 72.74
050070xx9902xx

頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり

49 22.96 17.23 20.41% 82.59
050070xx01x0xx

頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし

39 4.41 4.57 0.00% 70.21

狭心症や心筋梗塞のみならず、心不全、不整脈、心筋疾患、末梢動脈疾患など様々な心臓疾患の診療を担当しています。入院では心不全の患者さんが最も多く、薬物・非薬物治療を組み合わせて治療を行っています。狭心症や心筋梗塞に対しては薬物治療やカテーテル治療を行っています。

 

 

DPCコード

DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢

100380xxxxxxxx

体液量減少症

368 4.12 10.60 0.27% 2.56

040130xx99x0xx

呼吸不全(その他)

255 5.32 10.44 0.39% 2.16

080270xxxx1xxx

食物アレルギー

207 1.03 2.12 0.00% 3.35

100393xx99xxxx

その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害

114 3.68 10.25 0.00% 5.94

060380xxxxx0xx

ウイルス性腸炎

103 3.14 5.64 0.00% 4.14

一般小児科診療から各専門分野の小児医療を担当しています。最も多いのは、気管支炎・肺炎、胃腸炎や熱性けいれんなどの発熱を伴う感染症に起因する脱水症のお子さんです。輸液や経口摂取の管理を行います。次いで気管支喘息や気管支炎・肺炎を伴う呼吸不全のお子さんで、ステロイドや抗菌薬などの薬物治療を行います。食物アレルギーのお子さんも多く、日帰り入院で評価できる食物経口負荷試験や、原因食物の摂取によるアレルギー症状が誘発された場合です。その他に、気管支炎・肺炎・胃腸炎だけではなく、突発性発疹症、手足口病、尿路感染症、菌血症等の感染症も多く診察しています。どの疾患もほぼ1週間以内に退院しています。上位5位以外にも川崎病や特定疾患などに幅広く対応しています。地域連携・救急医療に力を入れており、紹介を頂いたり救急外来を受診される患者さんが多く、年間1500~1600人の小児科入院患者さんの約44%は救急外来からの緊急入院です。

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060160x001xxxx

鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等

121 4.53 4.55 0.00% 69.03
060335xx02000x

胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

45 5.78 6.87 0.00% 60.31
060150xx03xxxx

虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等

26 4.23 5.29 0.00% 42.85
060035xx010x0x

結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし

24 12.88 15.12 0.00% 77.46
060370xx99x0xx

腹膜炎、腹腔内膿瘍(女性器臓器を除く。) 手術なし 手術・処置等2なし

20 11.20 12.85 0.00% 52.85

当院の外科では呼吸器外科専門医と消化器外科専門医を含む6名の医師で日常臨床を行っています。
鼠径ヘルニアは足の付け根辺り(鼠径部)の筋肉の薄いところから腸や内臓脂肪などが押し出され、皮膚のところまで飛び出す疾患です。手術を行って短期で退院する患者さんが多いです。胆石症や胆嚢炎、大腸癌(悪性腫瘍)、腸閉塞については消化器内科とも協同して治療を行います。胆石症や胆嚢炎はほとんどの患者さんが腹腔鏡下で手術を施行することが可能となっています。

 

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160800xx01xxxx

股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等

209 21.82 25.50 61.17% 83.02
1160760xx97xx0x

前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし

159 2.21 4.76 0.00% 58.53
160690xx99xxxx

胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし

54 18.93 19.34 68.52% 82.20
070010xx010xxx

骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし

50 2.84 5.14 0.00% 49.86
160850xx01xxxx

足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等

47 8.77 18.32 12.77% 49.00

骨折、関節疾患、脊椎疾患、リウマチ性疾患や神経障害、骨粗鬆症、骨軟部腫瘍等の診療を担当しています。当科では外傷と骨軟部腫瘍を主に治療しています。最も多いのは、高齢者に多く発症する大腿骨近位骨折に対し人工骨頭挿入術や骨折観血的手術を行う患者さんです。地域連携パスを利用し地域の回復期病院と連携をとっているため、転院率が高くなっています。二番目、五番目は上下肢の骨折で、手術を行い短期間で退院する患者さんが多いです。四番目は良性骨軟部腫瘍に対し摘出術を行う患者さんです。骨軟部腫瘍は他病院からの紹介が多く、当院の大きな特徴であるといえます。

 

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010060x2990201

脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2

34 18.94 15.57 23.53% 76.21
160100xx97x00x

頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

26 13.35 9.88 19.23% 81.54
160100xx99x00x

頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

19 8.26 8.38 10.53% 80.63
010040x099000x

非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

12 19.58 19.09 41.67% 74.17
010060x2990211

脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2

- - 17.61 - -

脳卒中や頭部外傷に対しての外科的治療、脳腫瘍、水頭症などの診療を担当しています。最も多いのは脳梗塞の患者さんで、五番目の脳梗塞との違いは定義副傷病(*)があるかないかです。二番目、三番目にある頭蓋・頭蓋内損傷とは具体的に頭部の挫傷や開放創、頭蓋底骨折、脳震盪、外傷性硬膜外出血や外傷性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血などを含みます。当院は外傷性硬膜下血腫の患者さんが多いです。非外傷性頭蓋内血腫に対しては手術等をせず薬物治療を行います。

注)発症前Rankin Scale:発症前おおむね1週間のADLを病歴等から推定し、障害の有無で0~5に重症度を分類しています。
(*)定義副傷病:入院時併存症(入院当初に患者が既に持っている傷病)と入院後発症傷病(入院後に発症した傷病)のうち、診断群分類点数表に定義されている傷病名のことです。

 

 

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020110xx97xxx0

白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼

19 2.00 2.54 0.00% 78.05

眼の疾患や症状についての診療を担当しています。白内障の手術は、日帰りまたは入院で治療することができます。

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
030240xx99xxxx

扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし

29 5.55 5.51 0.00% 35.41
030240xx01xx0x

扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 定義副傷病なし

14 5.36 7.52 0.00% 32.71
030400xx99xxxx

前庭機能障害 手術なし

14 5.21 4.73 0.00% 64.71
030428xxxxxxxx

突発性難聴

10 7.00 8.55 0.00% 60.80
030230xxxxxxxx

扁桃、アデノイドの慢性疾患

- - 7.53 - -

耳・鼻・咽喉頭・頚部の炎症性疾患、腫瘍性疾患、聴覚・嗅覚の機能障害などの診療を担当しています。最も多いのは扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎などの炎症性疾患です。一番目は手術をしない患者さんで、二番目は扁桃周囲膿瘍切開術を行う患者さんです。三番目の前庭機能障害はめまいやメニエール病に対してステロイドなどの薬物治療を行っています。どの疾患もほとんど1週間以内に退院しています。四番目の突発性難聴にはステロイド治療を行います。

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110080xx991xxx

前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり

75 3.23 2.44 0.00% 71.91
11012xxx02xx0x

上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし

53 4.49 5.22 1.89% 62.81
110070xx03x0xx

膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし

40 7.15 6.85 0.00% 78.00
180010x0xxx0xx

敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし

34 12.47 20.03 5.88% 73.74
110310xx99xxxx

腎臓又は尿路の感染症 手術なし

26 11.42 13.52 7.69% 66.42

腎臓、尿管、膀胱、尿道に至る尿路全体と、前立腺、陰嚢内容、陰茎という男性生殖器などの診療を担当しています。最も多いのは前立腺癌に対して前立腺針生検を行う患者さんです。次いで尿管結石に対し経尿道的尿路結石除去術を行う患者さん、膀胱癌に対し経尿道的切除を行う患者さんの順となっています。四番目の敗血症、五番目の尿路の感染症には抗生剤による保存治療を行います。

 

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120060xx02xxxx

子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等

35 6.94 5.93 0.00% 48.20
120070xx02xxxx

卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等

26 6.42 6.00 0.00% 46.65
12002xxx02x0xx

子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし

25 2.00 2.96 0.00% 40.84
120260x001xxxx

分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等

21 9.24 9.31 0.00% 32.57
12002xxx01x0xx

子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし

19 7.84 10.10 0.00% 53.79

婦人科腫瘍や性器脱など、婦人科系疾患の診療を担当しています。上位5つは手術ありの診断群(DPCコード)であり、手術目的の患者さんが非常に多いといえます。子宮の良性腫瘍の多くは、子宮筋腫を指します。患者さんの平均年齢は他診療科に比べ低いです。自然分娩は原則自費の為、DPC対象外となり除外しています。

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110280xx9900xx

慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし

31 3.74 11.49 0.00% 40.90
110280xx9901xx

慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり

13 13.92 13.81 23.08% 68.77
110280xx991xxx

慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり

- - 6.44 - -
110290xx99x0xx

急性腎不全 手術なし 手術・処置等2なし

- - 14.36 - -
180010x0xxx0xx

敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし

- - 20.03 - -

CKD (慢性腎臓病)、腎炎、急性腎不全の血液透析を中心とした診療を担当しています。入院では慢性腎炎の患者さんや慢性腎不全の透析導入目的の患者さんが特に多いです。

 

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
130010xx97x2xx

急性白血病 手術あり 手術・処置等22あり

20 37.30 36.15 0.00% 67.40
130030xx99x9xx

非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等29あり

19 13.63 12.88 0.00% 74.00
180010x0xxx0xx

敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし

19 24.05 20.03 15.79% 79.32
130010xx97x9xx

急性白血病 手術あり 手術・処置等29あり

18 28.44 34.93 0.00% 78.50
130030xx97x50x

非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等25あり 定義副傷病なし

16 27.13 29.83 0.00% 66.44

当院の血液内科は、血液・化学療法内科の一部門であり、「血液のがん」を中心に診療に当たっています。血液のがんの中では悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫がもっとも高頻度で発症する疾患であり、当院でも多数を占めています。リンパ腫の病理診断は非常に専門性の高い分野であるため、近隣の大学病院とも提携して精度の高い診断を心がけております。現時点での最良の治療成績が確認されている標準療法を基本としており、必要時には自己末梢血幹細胞移植のような高度な治療も安全に実施いたします。多発性骨髄腫においては、積極的に分子標的療法を取り入れ、治療効果はもとより日常生活動作(ADL)の回復・維持も大事な目標としています。
急性白血病においては、8床のクリーンルームを使用して、十分な感染対策のもと「治癒」を目指した治療を展開しております。造血幹細胞移植については、自院で実施するほか、必要に応じて移植の専門施設へのスムーズな紹介を行い、個々の患者さんが快癒することを最優先に考えております。骨髄異形成症候群も白血病の仲間ですが、これと合わせてご高齢の場合や合併症の状況により標準療法が行えないときには、低容量の化学療法や緩和医療など、患者さんに合わせた治療を提案いたします。
以上、血液のがんは治療に長期間を要することが多々あります。当科では、治療が完了しその後の経過観察に至るまで一貫して、責任を持って診療にあたっておりますので、病期や状態にかかわらず受診していただくことができます。実際にご高齢の方や、合併症を抱えた方などを多く受け入れているため、大学病院や高度急性期医療を担う医療機関とくらべて、平均在院日数が長くなる傾向にあります。
また、がん以外の血液疾患も積極的に診療に取り組んでおります。血小板減少症、溶血性貧血、巨赤芽球性貧血などがあげられますが、疾患名が多岐にわたりかつ稀少な疾患のため、個々の年間の症例数は少数です。原因不明の血小板減少や貧血は血液内科にてご相談ください。

 

注)上段の表は治療内容による細分化されたDPCコードにて記載しておりますが、血液疾患は適切な治療が細分化されているため少数に分散され、診療実績を把握することが難しくなっています。下段に医療の専門家でない方にもわかりやすいよう、疾患名だけでの分類となるDPC6桁分類での実績を記載しております。

DPC6桁分類 疾患名 患者数
130030 非ホジキンリンパ腫 109
130010 急性白血病 73
130040 多発性骨髄腫 34
180030 その他の感染症(真菌を除く。) 33
040080

肺炎等

31
040081 誤嚥性肺炎 28

 

 

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
180010x0xxx0xx

敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし

15 20.27 20.03 13.33% 89.73
070560xx99x00x

重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

12 13.58 14.23 8.33% 78.92
040081xx99x0xx

誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし

- - 20.60 - -
050130xx9900x0

心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外

- - 17.38 - -
100380xxxxxxxx

体液量減少症

- - 10.60 - -

総合内科は、発熱が続いているものの、原因特定が難しい不明熱の患者さん、様々な症状があっても診断がついていない患者さん、関節リウマチなどの膠原病の患者さんを中心に診療を行っています。複数の臓器に症状や異常を認める疾患は、患者さんがどの科に受診すればよいかわからないことがあります。総合内科では診断の専門家として幅広い内科の知識をもとに、特定の診療科での対応が難しい患者さんの診断から治療までを受け持っています。

 

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100040xxxxx00x

糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

12 10.33 13.15 8.33% 56.92
180030xxxxxx1x

その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病あり

- - 20.04 - -
100391xxxxxxxx

低カリウム血症

- - 13..05 - -
10007xxxxxx1xx

2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり

- - 13.99 - -
100393xx99xxxx

その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし

- - 10.25 - -

代謝・内分泌内科では、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症(橋本病)、甲状腺腫瘍、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、アジソン病、副腎腫瘍、下垂体腫瘍、先端肥大症、尿崩症、副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、ビタミンD欠乏症、骨軟化症、骨粗鬆症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症など、内分泌代謝疾患を幅広く担当しています。

 

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040081xx99x0x

誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし

130 31.09 20.60 0.00% 85.94
040081xx97x0xx

誤嚥性肺炎 手術あり 手術・処置等2なし

23 33.13 36.11 0.00% 83.17
0400801499x002

肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア2

16 19.63 15.44 0.00% 87.31
0400801499x012

肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病ありA-DROP スコア2

15 19.73 18.22 0.00% 86.80
0400801499x014

肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病ありA-DROP スコア4

14 25.64 20.13 0.00% 88.79

一般内科では、誤嚥性肺炎や熱性疾患の患者さんを中心に治療を行っています。 高齢の患者さんは、引き続きリハビリを継続する必要が高く、転院する患者さんが多いです。再発・予防・栄養摂取のため、胃瘻造設や中心静脈注射用植込型カテーテル設置などが行われる患者さんは、平均在院日数が長くなる傾向にあります。 「肺炎等」はウイルス性・誤嚥性・間質性以外の主に細菌性肺炎のことを指します。年齢が高く、A-DROPスコア(*)の値が大きいほど平均在院日数が長くなります。

(*)A-DROPスコア:年齢、性別や血液中の酸素濃度、脱水症状の有無、意識障害の有無等で0~5または不明に重症度を分類しています。

 

 

病院指標3 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発

再発

病期分類
基準(※)

版数

Stage I

Stage II

Stage III

Stage IV

不明

胃癌

- - - 12 - - 1 8

大腸癌

- 27 27 13 13 11 1 8

乳癌

12 17 - - - - 1 8

肺癌

- - 12 24 26 23 1 8

肝癌

- - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類, 2:癌取扱い規約

 

日本で発症症例数が多い5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌についてステージ別に集計しました。 ステージの数字が大きいほど進行していることになります。 がんのステージは、国際的な基準である「UICC TNM分類」に沿って決められます。 UICC TNM分類は、T(がんの大きさ・広がり・深さ)、N(リンパ節転移の有無)、M(他の臓器への転移の有無)の3つの基準をもとにステージを決める分類法です。

初発:自施設において、がんの診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。
再発:手術で取りきれていなかった目に見えない小さながんが残っていて再び現れたり、薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療でいったん縮小したがんが再び大きくなったり、別の場所に同じがんが出現することを指します。

当院は複数の診療科が連携して診療を実施することで、がんの診断から手術・その後の化学療法まで一貫して行うことができます。

 

病院指標4 成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数

平均
在院日数

平均年齢

軽症

10 7.70 43.90

中等症

94 16.16 76.91

重症

38 20.50 83.34

超重症

22 24.09 85.95

不明

- - -

 


・市中肺炎…病院外で日常生活中に発症した肺炎のことです。院内での発症は含みません。

・重症度は入院時に以下の項目の該当項目数により軽症~超重症まで分類しています。
    1)男性70歳以上、女性75歳以上
    2)BUN 21mg/dL以上または脱水あり
    3)SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
    4)意識障害あり
    5)血圧(収縮期) 90mmHg以下
 軽症:該当項目なし    中等症:1~2項目該当
 重症:3項目該当       超重症:4~5項目該当

当院は中等症の患者さんが最も多く、全体の約50%を占めています。
重症度は入院時にきちんと評価されているため、それぞれにあった治療が行われています。


 

病院指標5 脳梗塞の患者数等

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ICD10

傷病名

発症日から

患者数

平均在院日数

平均年齢

転院率

I63$

脳梗塞

3日以内

83 27.19 79.27 39.76%

その他

脳梗塞の多くは発症から3日以内であり、急性期治療がメインとなっています。平均年齢は約79歳となっており、 高齢の患者さんが多くなっています。また、急性期・回復期・維持期のスムーズな脳卒中診療体制を確立する脳卒中地域連携パスを2014年9月より開始し、地域の回復期病院との連携を強化しているため、リハビリ病院への転院率が高くなっています。

 

病院指標6 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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Kコード

名称

患者数

平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211

内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)

251 0.12 1.03 0.00% 66.78
K688

内視鏡的胆道ステント留置術

43 5.00 17.37 13.95% 77.74
K6871

内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの

30 6.30 8.50 3.33% 74.07
K6872

内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う)

27 5.22 12.07 14.81% 77.85
K722

小腸結腸内視鏡的止血術

24 1.71 5.38 4.17% 68.50

内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が圧倒的に多く行われており、ほぼ全ての患者さんは術後1~2日で退院しています。この手術はポリープを切除する目的で行われていますが、早期大腸癌の発見に対しても非常に有用です。内視鏡的胆道ステント留置術は、総胆管結石や癌などによる胆道狭窄・閉塞・感染に対し行います。内視鏡的乳頭切開術は、総胆管結石や胆管結石性胆管炎などに対して行われます。小腸結腸内視鏡的止血術は、主に大腸憩室出血に対して行われます。

 

 

Kコード

名称

患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5493

経皮的冠動脈ステント留置術(その他)

49 1.12 3.16 0.00% 72.84
K5951

経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ)

41 1.07 2.32 0.00% 69.29
K5492

経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症)

26 0.69 5.92 0.00% 69.04
K5972

ペースメーカー移植術(経静脈電極)

14 3.43 13.14 14.29% 83.07
K5491

経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞)

13 0.15 19.54 7.69% 73.77

緊急・予定を問わず、経皮的冠動脈ステント留置術が多く施行されています。通常、あらかじめ抗血小板剤の投与にて副作用が認められないことを確認してから、薬剤溶出性ステントを留置しています。また、不整脈の治療として、ペースメーカーを移植したり、ペースメーカーの電池の寿命に伴う交換を行っています。2023年6月より、心房細動に対して経皮的カテーテル心筋焼灼術を行っています。

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6335

腹腔鏡下胆嚢摘出術

63 2.86 4.41 0.00% 59.00
K719-3

鼠径ヘルニア手術

51 1.06 2.65 0.00% 71.63
K718-21

腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)

44 0.95 2.55 0.00% 67.36
K740-22

腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術

39 7.56 19.15 5.13% 72.72
K5131

腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)

24 0.96 3.04 0.00% 37.25

胆石症、胆嚢炎、虫垂炎、鼠径ヘルニアなどの疾患に多く手術が施行されています。多くはクリニカルパスを用いて計画的に治療されるため、平均在院日数の減少が達成されています。鼠径ヘルニアには腰椎麻酔下前方手術、全身麻酔下腹腔鏡手術の双方が行われ、個々の患者さんの病態によって選択されています。虫垂炎については殆どが腹腔鏡下手術が行われ、短期社会復帰に寄与していると考えられます。結腸癌、胃癌などの消化器癌については、消化器内科、血液・化学療法内科とも協同しキャンサーボードなどの協議をへて、手術的治療はもちろん手術以外の集学的治療も診療科横断的に施行され、治療成績の向上に寄与していると考えられます。2023年5月からダビンチによる手術を導入しました。結腸・直腸癌の患者さんに対してロボット支援下手術を行っております。従来取り組んでいた開腹手術や腹腔鏡手術と比較して在院日数は短縮しており、手術を受けられてから早期の社会復帰が可能となっています。

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0461

骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿)

204 1.05 17.71 48.04% 77.98
K0462

骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨)

177 0.39 3.01 5.08% 61.87
K0811

人工骨頭挿入術(肩、股)

87 1.36 20.70 68.97% 82.89
K0483

骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕、下腿)

56 0.38 1.75 1.79% 50.20
K0463

骨折観血的手術(鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他)

53 1.34 6.00 9.43% 54.25

骨折に対する手術が多く施行されています。最も多い手術は高齢者に起こりやすい大腿骨近位骨折に対する手術です。当院は急性期病床を有する急性期病院としても地域医療に貢献しています。引き続きリハビリが必要な患者さんには、地域連携パスを活用し地域の回復期病院と連携をとっているため転院率が高くなっています。

また、上記の表はKコードごとに細分化されており手術実績を把握することが難しくなっているため、手術名ごとの患者数を以下に掲載します。

手術名

患者数

骨折観血的手術 441
人工骨頭挿入術(肩,股) 87
四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(悪性を含む) 56
骨折経皮的鋼線刺入固定術 32

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K164-2

慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術

29 0.66 20.93 24.14% 83.52
K0453

骨折経皮的鋼線刺入固定術 鎖骨、膝蓋骨、手、足、指(手、足)その他

-

-

-

-

-

K084

四肢切断術(上腕、前腕、手、大腿、下腿、足)

-

-

-

-

-

慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多く施行されています。慢性硬膜下血腫は脳の萎縮がみられる高齢者に多く起こります。 入院後すぐに手術を行っているため、平均術前日数が短くなっています。

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2821ロ

水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他)

19 0.00 1.00 0.00% 78.05

白内障に対する水晶体再建術が最も多く施行されております。

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K368

扁桃周囲膿瘍切開術

14 0.21 4.14 0.00% 32.71
K309

鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術

- - - - -
K6261

リンパ節摘出術(長径3cm未満)

- - - - -
K3772

口蓋扁桃手術 摘出

- - - - -
K287

先天性耳瘻管摘出術

- - - - -

扁桃周囲膿瘍に対して多く手術が施行されています。患者さんのほとんどが1週間以内に退院しています。

 

 

Kコード

名称

患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7811

経尿道的尿路結石除去術(レーザー)

58 0.97 3.38 0.00% 63.41
K8036イ

膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)

41 1.00 5.20 0.00%

78.15

K783-2

経尿道的尿管ステント留置術

34 1.56 12.97 5.88% 71.15
K7981

膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術

16 1.25 2.75 0.00% 72.94
K843-4

腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる)

13 2.00 9.54 0.00% 68.92

当院では、2023年3月に手術支援ロボット「Da Vinci Xi」を導入いたしました。泌尿器科でも、2023年7月より前立腺癌の患者さんに対して、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RARP)を開始いたしました。これまでに行っていた開創下での手術法(腹部に大きな切開をして、前立腺を取り出す方法)よりも、低侵襲でかつ、出血量も少なくすることができます。前立腺癌と診断され、手術を希望された方に対しては、積極的にRARPを行っております。現在、RARPを希望される方が増えており、藤田医科大学腎泌尿器外科学教室とも連携しながら、安全で低侵襲な治療が提供できる様努力したいと考えております。 又、腎尿管結石に対しては、ホルミニウムレーザーを用いた経尿道的手術を行っており、低侵襲な治療に努めています。膀胱腫瘍に対しては、経尿道的手術を主体として行っており、再発症例に対しては、複数回行うこともあります。

 

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K877-2

腹腔鏡下腟式子宮全摘術

64 1.00 4.94 0.00% 48.16
K8882

子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡)

39 1.18 4.95 0.00% 45.97
K867

子宮頸部(腟部)切除術

25 0.00 1.00 0.00% 40.84
K8982

帝王切開術(選択帝王切開)

19 0.95 7.37 0.00% 33.11
K877

子宮全摘術

17 0.94 8.12 0.00% 48.18

腹腔鏡下腟式子宮全摘術が最も多く施行されています。主に子宮筋腫や子宮腺筋症に対して行われる手術です。二番目の腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術は卵巣腫瘍や卵巣捻転に対して行われる手術です。腹腔鏡下手術は術後の痛み軽減や侵襲が少なく傷が小さいなどの利点があり、ほとんどの患者さんがこの術式を選択します。三番目の子宮頸部(膣部)切除術は主に子宮頸部異形成や子宮頚上皮内癌に対して行われています。四番目の選択帝王切開術は予定入院の患者さんが多いです。患者さんの平均年齢は他診療科に比べ低いです。五番目に多い子宮全摘術は開腹で施行した場合の件数で、腹腔鏡下で行う場合と比較して入院期間が長くなっています。子宮の良性疾患(子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症など)に対してロボット支援手術を実施しています。これまで低侵襲な腹腔鏡下での手術を多く実施していました。術後回復が早く、入院期間や療養期間が比較的短く、患者さんにとっても選択しやすい術式となっています。ダビンチの導入により、より安全で低侵襲な手術が可能となりました。

 

 

 

病院指標7 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC

傷病名

入院契機

症例数

発生率

130100

播種性血管内凝固症候群

同一

-

-

異なる

13

0.17%

180010

敗血症

同一

102 1.31%

異なる

132 1.7%

180035

その他の真菌感染症

同一

-

-

異なる

-

-

180040

手術・処置等の合併症

同一

16 0.21%

異なる

- -

播種性血管内凝固症候群は、さまざまな重症の基礎疾患により、全身の血管内で血栓ができる病態です。
敗血症は血液が細菌に感染することにより全身に炎症を起こす病気です。肺炎や尿路感染症、腹膜炎、悪性腫瘍などが原因になります。入院契機の「同一」「異なる」は、入院の契機である疾患と最も医療資源を投入した疾患が同一か異なるかということです。異なる疾患については、入院契機である疾患が原因で播種性血管内凝固症候群や敗血症等に移行したと思われます。
手術・処置等の合併症には、術後創部感染や出血、カテーテル感染症・破損、縫合不全などがあります。
一定の確率で起こり得るものであり、完全になくすことはできません。起こりうる合併症に関しては事前に十分な説明を行い、発症を最小限に抑えられるよう努めています。
発生率は全退院患者数で各疾患の患者数を除したものです。

 

 

医療の質指標1 リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母) 分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
836 727 86.96%

肺血栓塞栓症とは、肺の血管に血栓が詰まり、突然呼吸困難や胸痛、 ときには心停止をきたす疾患です。「ロング・フライト血栓症」や「エコノミークラス症候群」とも呼ばれています。
予防としては抗凝固薬の使用が有効です。血液がどろどろのままだと血栓が発生しやすいため、抗凝固薬で血液をさらさらにし、血栓の発生を予防します。
当院では肺血栓塞栓症の予防対策を約87%実施しており、多くの患者さんが抗凝固薬を使用しています。

 

 

医療の質指標2 血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母) 分母のうち、血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子) 血液培養2セット実施率
3426 2208 64.45%

血液培養を実施するにあたり、1セットだけでは皮膚の常在菌の混入(コンタミネーション)を完全に防ぐことはできないため、基本的に2セット採取します。そうすることにより、コンタミネーションの判断がしやすくなります。 また、より多くの血液を培養することで検出感度(原因菌の検出確率)が上がります。
当院の実施率は約64%で、半数以上の患者さんに対して血液培養を2セット採取し、検査精度を高めています。

 

 

医療の質指標3 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母) 分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子) 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
747 627 83.94%

様々な細菌に効果を有する抗菌薬のことを”広域スペクトル”といいます。広範囲の菌に効果があるため、日常的によく使われますが、誤った使用や多用をしてしまうと体に耐性がつくため使用法には注意が必要です。
当院はメロペネムやタゾバクタム/ピペラシリンなどの抗菌薬を用法用量を守り、適正な使用をしています。
約84%の患者さんに対して細菌培養を実施しています。

 

更新履歴
2024/09/24  初版公開
当院の病院情報の公開は「医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)」に準拠して行っています。