肺癌、肺炎、気管支喘息、膠原病肺、じん肺など様々な呼吸器疾患の診療を担当しています。肺炎の患者さんが圧倒的に多く、次いで細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる誤嚥性肺炎、気管支鏡や肺生検目的とする肺癌の患者さんの順となっております。肺癌については、正確な診断をつけそこからよりよい治療に結び付けられるよう努力しています。いずれも平均年齢が65歳以上の高齢の患者さんです。

消化管領域と胆膵領域の疾患の診療を担当しています。最も取り扱いの多い疾患は、良性の憩室性疾患で、二番目に多い腸閉塞に対しては手術や処置等は行わず絶食、安静で保存治療を行うことが多いです。次いで内視鏡などで胆石除去を行う胆石、胆管炎の患者さんを多く取り扱っています。いずれも在院日数は全国平均を下回っています。

虚血性心疾患、末梢動脈疾患、不整脈、心筋疾患など様々な心臓疾患の診療を担当しています。診断のみの心臓カテーテル検査の狭心症の患者さんが最も多く、比較的高齢な心不全治療の患者さん、虚血性疾患で経皮的冠動脈形成術（PCI）を受ける患者さんの順となっています。当院は心臓外科医が在籍していないため、心臓手術が必要な患者さんは近隣の病院に紹介し転院していただく形をとっています。

小児科は感染性の疾患が多いのが特徴です。肺炎・気管支炎、腸炎、喘息の順という結果になりました。どの疾患もほぼ1週間以内に退院しています。表には反映されていませんがアレルギーや川崎病に対しても多数治療を行っており、特定疾患などの幅広い疾患に対応しています。

当院の外科は、消化器外科と胸部外科に大きく分かれており、悪性腫瘍手術や肺癌、気胸などの手術等、病状に応じた幅広い治療を行っています。若い虫垂炎の患者さんが多いのも特徴ですが、手術をする方と、保存治療をする方がいらっしゃいます。2番目に多いのは胆石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を行う患者さんとなっています。

骨折、関節疾患、脊椎疾患、リウマチ性疾患や神経障害、骨粗しょう症、骨・軟部発生腫瘍等の診療を担当しています。最も多いのは大腿骨骨折で手術を行う患者さんで、高齢者に多いです。地域連携パスを利用するなどして、病病、病診連携を積極的に行っているため、転院率が高くなっています。2番目に多いのは前腕の骨折に対し手術を行う患者さんです。いずれも在院日数は全国平均を下回っています。

脳卒中や頭部外傷に対しての外科的治療、脳腫瘍、水頭症等の診療を担当しています。最も多いのは頭蓋内損傷に対し手術を行う患者さんです。高齢者に多く慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が主です。次いで頭蓋内損傷に対し手術等せず保存治療の患者さんです。手術なしの場合は平均年齢がぐんと下がります。そして最後に脳出血の患者さんの順となりました。こちらは脳卒中の地域連携パスを活かしているため、転院率は上位2つより高い結果となっています。

耳、鼻、咽喉頭、頚部の炎症性疾患、腫瘍性疾患、聴覚障害・嗅覚障害などの機能障害等の診療を担当しています。最も多いのは前庭機能障害で主にめまい症の患者さんです。次いで扁桃、アデノイドの慢性疾患の患者さんで若者に多く、全ての患者さんに対し手術を行っています。最後に多いのは扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎等の炎症性疾患の患者さんです。手術をしない患者さんについては4～5日で退院されています。

脳梗塞を主とする脳血管障害、パーキンソン病などの変性疾患、重症筋無力症・多発性硬化症などの神経免疫疾患等の診療を担当しています。最も多いのが脳梗塞で処置ありの患者さんで、これは急性期の治療薬エダラボンを投与したということを意味します。次いで処置等なしの脳梗塞となっていますが、処置の有無により年齢、在院日数ともに大きな差異は見られません。上位2つの脳梗塞ですが、脳卒中地域連携パスを活かし転院率が他疾患より高くなっています。最後に多いのはてんかんの患者さんです。いずれも在院日数は全国平均を下回っています。

皮膚疾患の診療を担当しています。常勤医師が1名のため入院患者数は多くありませんでした。入院治療を行うのは主に帯状疱疹で、平均在院日数は全国より下回っています。
患者数が10未満の数値は「－」としています。

腎臓、尿管、膀胱、尿道に至る尿路全体と、前立腺、陰嚢内容、陰茎という男性生殖器等の診療を担当しています。膀胱腫瘍の手術を行う患者さんが最も多く、次いで尿管結石等に対し経尿道的尿路結石除去術を行う患者さん、腎臓又は尿路の感染症の患者さんの順となっています。いずれも平均在院日数は全国より下回っています。前立腺肥大症に対して行われる前立腺針生検も症例は多いのですが、短期滞在手術基本料3という日帰り手術の対象となり、診断群分類が適用されないため除外しています。

婦人科腫瘍や性器脱等、婦人科系疾患の診療を担当しています。上位3つは手術ありの診断群であり、手術目的の患者さんが非常に多いと言えます。患者さんの平均年齢は他診療科に比べ若いです。お産は原則自費の為、DPC対象外となり除外してあります。

CKD (慢性腎臓病)、腎炎、急性・慢性腎不全の血液透析を中心とした診療を担当しています。最も多いのは慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全の患者さんで、手術や処置等を行なわない保存的治療が多くなっています。二番目に多いのは一番と同じ慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全ですが、処置2(*)を行っているケースとなりました。処置2(*)の有無により平均年齢が大きく変わります。三番目に多いのは腎生検目的での入院患者さんです。
(*)処置2：人工腎臓、腹膜灌流、持続緩徐式血液濾過、血漿交換療法のいずれかを指します。
患者数が10未満の数値は「－」としています。

造血器腫瘍を主とした血液疾患の診療を担当しています。一番目と三番目に多い非ホジキンリンパ腫[1]とは、悪性リンパ腫の一種です。二番目に多いのは急性白血病です。当院では化学療法を積極的に行っています。当院で継続し治療を行っていくことができます。

[1] リンパ節だけでなく全身臓器に発生し、発生する臓器によって症状が異なります。

薬物療法を行う悪性腫瘍（乳癌、胃癌、結腸癌・直腸癌、精巣腫瘍、前立腺癌など）の診療を担当しています。結腸癌、胃癌、直腸癌の順で化学療法目的に入院される患者さんが多いです。転院する患者さんはおらず、当院で継続し治療を行っていくことができます。いずれも在院日数が全国平均を下回っています。

感染症や全身性免疫疾患といった「熱性疾患」を中心とした診療を担当しています。他診療科と比較すると上位3位の患者さんの平均年齢が最も高く、高齢者を多く診ています。感染症が非常に多いという結果になりました。いずれも平均在院日数は全国より下回っています。

糖尿病の血糖コントロール目的の入院や教育入院が多いため2型糖尿病の患者さんが最も多くなっています。いずれも平均在院日数は全国より下回っています。転院する患者はおらず、糖尿病診療における病診連携の促進を目指しています。
患者数が10未満の数値は「－」としています。

一般内科では、誤嚥性肺炎や肺炎の患者さんを中心に治療を行っています。いずれも平均年齢が65歳以上の高齢の患者さんです。
当院は急性期病床のため、引き続きリハビリ等を行う必要のある患者さんは転院していただく場合があります。
患者数が10未満の数値は「－」としています。

内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術が最も多く施行されています。ほぼ全ての患者さんは術後1～2日で退院しています。この手術はポリープを切除する目的で行われていますが、早期大腸癌の発見に対しても非常に有用です。次いで多く行われている内視鏡的胆道ステント留置術ですが、胆汁の流れが悪くなったところに様々な素材で作られたチューブを設置し、胆道閉塞や胆管炎などの改善を図ります。いずれも低侵襲な内視鏡的治療です。

経皮的冠動脈ステント留置術が最も多く施行されています。通常、あらかじめ抗血小板剤の投与にて副作用が認められないことを確認してから薬剤溶出性ステントを留置しています。一番多いその他の経皮的冠動脈ステント留置術と二番目に多い不安定狭心症に対する経皮的冠動脈ステント留置術は平均術前日数、平均術後日数ともに差があります。このことから不安定狭心症に対して行われる経皮的冠動脈ステント留置術は緊急性が高く、在院日数が長くなると言えます。
患者数が10未満の数値は「－」としています。

鼠径ヘルニア、胆石や急性虫垂炎の順に良性疾患の手術が数多く施行されています。手術を行うに当たり、腹腔鏡下手術・メッシュを用いたヘルニア根治術など最新の手術手技も導入しています。上位3位には入っていませんが内視鏡下手術も多数行っています（胃切除・大腸切除・胆摘など）。術後は早期離床を勧めており早期退院を目指しています。

骨折の手術が多く施行されています。最も多いのは高齢者に非常に多く起こる大腿骨骨折に対するものです。当院は急性期病床のため、引き続きリハビリが必要な患者さんには地域連携パスを活用した病病・病診連携を利用しているため転院率が高くなっています。

慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多く施行されています。慢性硬膜下血腫は脳の萎縮がみられる高齢者に多く起こります。
患者数が10未満の数値は「－」としています。

白内障に対する水晶体再建術が最も多く施行されています。全ての患者さんが手術を行った次の日に退院しています。（平成27年6月から常勤医1名が勤務となりました。）
患者数が10未満の数値は「－」としています。

慢性扁桃炎や睡眠時無呼吸症候群に対して行う口蓋扁桃摘出術が最も多く施行されています。小児に対して多く行われているため平均年齢が低くなっています。次いで扁桃周囲膿瘍に対する扁桃周囲膿瘍切開術の順となっています。
患者数が10未満の数値は「－」としています。

経尿道的膀胱悪性腫瘍切除術が最も多く施行されています。膀胱癌は再発が多く、同じ手術を複数回行う症例が存在しています。次いで経尿道的尿路結石除去術、経尿道的尿管ステント留置術となっています。いずれも腹部を切らずに尿道から電気メスなどの器具を挿入して行う低侵襲な経尿道的手術です。当院の特徴として、前立腺肥大症に対する新しい治療法である(HoLEP)「経尿道的レーザー前立腺切除術（ホルミウムレーザー）」も第４位として31件の施行実績があります。「HoLEP」は、これまで主流な術式であった経尿道的前立腺切除術（TURP）よりも出血および術後の疼痛が少なく、内視鏡の先についたレーザーメスで肥大した前立腺腺腫を安全・確実に切除していく手術です。

腹腔鏡下子宮付属器腫瘍摘出術が最も多く施行されています。次いで子宮全摘術、腹腔鏡下膣式子宮全摘術の順となっています。(2)でも示しましたが患者さんの平均年齢は他診療科に比べ若いです。腹腔鏡下手術は、術後の痛み軽減や侵襲が少なく傷が小さいなどの利点がありこの術式を選択する患者さんが多いと言えます。

透析治療に利用する内シャントを設置する手術が最も多く施行されています。
患者数が10未満の数値は「－」としています。

抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植え込み型カテーテル設置が圧倒的に多く施行されています。この手術は悪性腫瘍の患者さんに対し、抗悪性腫瘍剤の局所持続注入または疼痛の制御が目的であり、がん患者さんのQOL向上に努めている表れだと思います。
患者数が10未満の数値は「－」としています。